みんなでボッチャ
1万人
プロジェクト
follow
twitter
instagram

ファンルームFan Room

interview #01 河本圭亮

友人に誘われて始めたボッチャ。その面白さにのめり込み、2016年には国際大会デビューを果たす。現在BC3クラスで日本選手権3連覇を果たしている河本圭亮選手に東京パラリンピック大会での目標から、ボッチャの魅力までじっくり語っていただきました。

氏  名 : 河本 圭亮(かわもと けいすけ)
ク ラ ス  :  BC3
生年月日 : 1999年3月27日
出 身 地  :  愛知県
所  属 : 東郷町施設サービス株式会社
主な成績 : 
・Bisfed2017ワールドオープン  バンコク大会出場
・ドバイ2017アジアユース    銅メダル
・日本選手権 出場 (2016/2017)
・アジアパラ大会2018  日本代表
・Bisfed2018ワールドオープン モントリオール大会出場
・Bisfed2019 リージョナルオープン香港大会 ペア戦 優勝
・Bisfed2019アジア・オセアニアチャンピオンシップ韓国大会 ペア戦 2位 個人 4位
・2019日本選手権 優勝(3連覇)
 

――まず始めに、河本選手のボッチャとの出会い、そして始めたきっかけを教えてください。

河本選手:はじめたきっかけは、同じ障がいを持つ人たちとの集まりでサマースクールというのがあるんですが、そこで行われているイベントのなかに、さまざまな障がい者スポーツを体験する項目があって、そこではじめてボッチャと出会いました。小学2年生のときでした。

――では、ボッチャ歴はとても長いのですね。

河本選手:最初はBC4クラスではじめて、そのあとBC3クラスになりました。BC3では7年目くらいになるので……もう14、5年のキャリア になります。

――河本選手のBC3クラスというのは、特にミリ単位でのランプの調整やコントロールが必要になると思います。とても集中力がいるクラスだと思いますが、試合前や投球前のルーティンなどを含め、集中力を持続させるための秘訣などはありますか。

河本選手:試合中は、投球前に深呼吸をしてからリリースするようにしています。あとはコールルームではあまり話をせず、ひとりで静かに、自分の世界に入って集中力を高めるようにしています。

――投球の難しさ、ランプの難しさの両方をご存じかと思います。そこで、投球とランプそれぞれの難しさや面白さについて教えてください。

河本選手:最初、ランプを見ていて向きや方向を合わせて転がすだけだからシンプルで、結構簡単なのかな、と思っていたんですけど、実際にやってみたら難しくて。そもそもボールは適当に転がしても真っすぐは転がらないので、まずは真っすぐに転がるボールの軸を探さないといけません。それができるようになったら、次は1球ずつ1.5mから10mまで細かくメモリを見て調整していく。すごく大変なんですけど、それができるようになると精度はすごくあがるのが、ランプの特徴。だから自分が思ったようにいろいろな戦術を組み立てられますし、それがパズルのようで面白いですね。

手投げのほうは、海外の選手とかを見ていると、パワーでボールを弾いていることも多いので、すごくダイナミックな技やパフォーマンスが見られるので面白いですね。

――現在、BC3クラスで戦われていますが、河本選手ご自身のストロングポイントはどこにありますか。

河本選手:僕は自分でオールラウンダー、と呼んでいるんですけど、アプローチ、プッシュ、ヒットという3つの技術をどの距離でも正確にできることを強みにしています。あと意識しているのは、試合中の修正力や、対戦相手の二手三手先を読んだプレーを心がけていますし、その部分はこれからもっと伸ばしていきたいと思っています。

――日本代表『火ノ玉JAPAN』のなかでライバルはいますか。

河本選手:同じBC3クラスのなかでは、田中恵子選手や高橋和樹選手とは、ここ2年くらい一緒に戦っている仲間でもありますし、やはりライバルでもあります。切磋琢磨して競っていける存在だと思っています。

あと、ライバルとはまた違うのですが、見本にしているのは火ノ玉JAPANのキャプテンである杉村英孝選手です。発言だったり、プレーだったり、みんなを引っ張っていくリーダーシップをすべてから感じ取れるんです。僕はBC3クラスのキャプテンを務めているんですけど、杉村選手のようなキャプテンになりたいな、と憧れています。

前回のリオデジャネイロパラリンピックの団体戦で、ボッチャはメダルを獲得したことで認知度が高まってきたと思います。東京パラリンピックが開催されることで、河本選手が期待することはありますか。

河本選手:まず、リオデジャネイロ大会でチームが銀メダルを獲ってから、一気にボッチャの注目度が上がりました。これまでもスポンサーの皆さんや応援してくださっている方々のおかげで、こうして合宿や試合ができる現状があり、本当に感謝しています。

東京大会でも、火ノ玉JAPANはメダル獲得を目標に一丸となって頑張っています。そのなかでも、BC3クラスは金メダルを目指しています。なので、東京大会でも結果を残して、リオデジャネイロ大会以上に知名度を上げて、たくさんの子どもたちにもボッチャという競技を知ってもらいたい。そして、ボッチャを始める子が増えていって、そういう子たちが切磋琢磨して、また日本のレベルを上げてほしいな、と思っています。

――『一丸』 という言葉がありましたが、河本選手が思い描くチーム一丸、というのはどういうイメージなのでしょうか。

河本選手:まずは全クラスでメダル獲得、という目標があるので、全員が同じ目標に向かって突き進んでいく仲間であり、ライバルだと思っています。お互いの意見を聞いたり、お互いがお互いを選手として認めて、リスペクトし合っているというのが、チーム一丸になっている、という状態なのかなと思います。

――河本選手ご自身の目標や、それに向けた取り組みなどがあれば教えてください。

河本選手:まずは東京大会での金メダル獲得を最大の目標にして頑張っています。そのために、日々の少ない練習時間のなかでも、有意義な時間を作るよう努力しています。

具体的なところで言うと、正しいボール構成への挑戦など、今までやったことのない戦術というか、新しいことにチャレンジしています。

本当に、もっと自分が活躍して、日本でもっとボッチャの、BC3クラスの魅力が伝えて行きたいですね。

――東京大会をご覧になる方々に向けて、こういうところに注目してほしい、という点はありますか。

河本選手:BC3はすごく高いところからカチカチのボールを流して ヒットさせるようなダイナミックな技もありますので、そういうところも見てもらいたいですね。

あとは、私たちがその1球をなぜそこに置いたのか、ということも一緒に考えてみていただくと楽しいと思います。見ている方も、選手になった気持ちになってみてほしいな、と。どうしてそこに投げたんだろう、と考えると、ボッチャはとても面白く見ていただけると思います。

――最後にボッチャファンの方々にメッセージをお願いします。

河本選手:いつも応援してくださってありがとうございます。皆さんの応援が私たち選手の力になっています。

あらためて、私たちは東京大会での金メダル獲得を目標にチーム一丸となって頑張っています。ぜひ目標を達成するその瞬間を見ていただけるとうれしいです。ボッチャは見れば見るほど、新しい魅力に気づける競技だと思います。 もっとボッチャを見て、知っていただいて、もっともっとボッチャを好きになってほしいなと思います。

――ありがとうございました。

constitution 田坂友暁 / photo 松川智一 / interview 阿部倫太朗
ファンループトップへ戻る