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interview #07 中村拓海

2016年以降の国際大会で頭角を現し始め、2018年の世界選手権では銀メダル獲得に貢献した中村拓海選手。物怖じしない明るい性格は、ムードメーカーとしてチームを盛り上げてくれています。パラリンピックは、今回の東京大会が初出場。持ち味である思い切りの良いプレーをしたいと意気込みます。普段の練習の様子や取り組みについて、そして初のパラリンピックへの思いを話していただきました。

氏名:       中村 拓海(なかむら たくみ)
クラス:    BC1
生年月日:  1998年7月6日
出身地:    大阪府
所属:      社会福祉法人愛徳福祉会 大阪発達総合療育センター
主な成績:
・第 20 回日本ボッチャ選手権大会【BC1】 銀メダル
・BISFed 2018 Ise Regional Championships【個人 BC1】金メダル
・BISFed 2018 Ise Regional Championships 【チーム BC1-2】金メダル
・BISFed 2018 World Open Montreal【チーム BC1-2】 金メダル
・BISFed 2018 world Championships Liverpool【チーム BC1-2】 銀メダル
・BISFed 2018 world Championships Liverpool【個人 BC1】5 位
・第 21 回日本ボッチャ選手権大会【BC1】 金メダル

――中村選手がボッチャと出会い、競技をスタートさせたきっかけを教えてください。

中村選手:ボッチャと出会ったのは小学校6年生のときですね。それまで自分は何かスポーツはやりたいけど、できるスポーツがなかったんです。そんなときに、小さいころから通っていた病院の理学療法士の先生に、スポーツやりたいんですと相談したら、ボッチャって知ってる? と勧められました。当時は全然ボッチャの名前も聞いたことも見たこともありませんでした。だから最初は「何だそれ」という感じで。で、たまたまそのタイミングで西日本選手権をやっていたので実際に見に行ったら、その独特の空気感に呑み込まれて。「面白そうやな、やってみたいな」っていうふうに思ってやり始めました。

――普段の練習の様子を教えていただけますか。

中村選手:普段は自宅の玄関にあるスペースで、本当に基礎的な練習をしています。また、職場にボッチャコートを一面作れるところがあるので、そこで練習させてもらっています。そこでは遠投の練習であったり、角度の付けた投げの練習だったりを行います。家での練習は狭いのでそこまで実践的な練習はできませんが、職場ではフルコートで大会に向けた練習を行えますし、自分の苦手なところ、得意なところをそれぞれ個別に練習しています。

――週にどのくらい練習するのですか。

中村選手:自宅で週2、職場では週2から週3ですね。なので、平日はほぼ毎日練習しています。

――中村選手がはじめて日本代表に入ったのは、いつでしたか。

中村選手:2013年のアジアユースパラですね。このあとは2014年の世界選手権です。この世界選手権が初のフル代表だったのでめちゃくちゃ緊張してしまって。先輩たちから言われたことしかできないみたいな感じでした。むしろ、その当時は廣瀬隆喜さん、杉村英孝さんの先輩たちの技を勉強しに行くみたいな感じでしたね。

――世界選手権に出場した2014年と、今回の東京パラリンピックは同じチームですね。当時と印象の違いはありますか。

中村選手:2014年のときは緊張しっぱなしで何も言えませんでしたが、今は普段は冗談を言い合ったり、ふざけ合ったりするけど、試合のときは気持ちを引き締め合って臨む、という感じでチームワークも良くなっていると思います。いろいろ協力し合える仲間、と言える存在になったと思います。

――火の玉ジャパンのBC1、2のなかで、自分のキャラクター、立ち位置についてはどう考えていますか。

中村選手:最近はチームのなかのいじられキャラ、というのが定着しつつある感じですね。それが試合の中でも生かされているんですよ。普段からイジられてることによって、緊張感のある試合のなかでも良いクッションになって、うまく連携が保ててると思います。

――中村選手は2019年の日本選手権で初優勝しました。次の大会は王者として臨むわけですが、次も勝つためにどういう取り組みをしていこうと、何か考えていることや決めていることはありますか。

中村選手:2019年は、苦しみながらですが頂点に立てたことがすごくうれしかったですね。でもそれと同時に次の目標として連覇というものが見えてくる。優勝はうれしいけど、そこで気を抜かずに普段からやっていることを忠実に積み重ねていく、ということを目標にしています。練習一つひとつを正確に積み重ねていくためにも、基本的なアプローチやプッシュ、ヒットなどの技の精度、正確さを大事にしたい。連覇するためにも、今こそこういった基礎練習を中心に取り組むようにしています。

――中村選手にとってのライバルはいらっしゃいますか。

中村選手:世界ではタイが1番強くて、そのなかでもBC1クラスのウィッサヌ選手は今まで何度か対戦してるんですけど、まだ一度も勝てたことない相手です。彼はとても正確さがある選手。そこを何とか切り崩して勝ちたいライバルですね。

――ご自身のストロングポイントを教えてください。

中村選手: 1番のストロングポイントは、思い切りの良さ、思い切りの良いプレーができることだと思います。常に自信を持っていかないと勝てないし、技も決まりません。だから試合のなか勝つために強気でいって立ち向かう、ということを個人戦でもチーム戦でも大事にしているところです。

――ボッチャ以外にハマっていることや好きなことはありますか。

中村選手:普段の生活ではテレビを見ることが好きなので、バラエティ番組やスポーツを良く見ます。お笑い番組とか、ジャンルは問わず、テレビを見ることが好きですね。

――今回、東京パラリンピックが開催されることで中村選手が大会や大会後に期待することなどはありますか。

中村選手:リオデジャネイロパラリンピックでチームがはじめてメダルを獲ったことで、ボッチャの認知度はとても上がったと思います。次、東京パラリンピックというところでさらに多くの方にも見てもらえる、注目してもらえると思うので、大会中だけ盛り上がるのではなく、大会が終わってさらにボッチャファンが増える、応援してくださる方が増えるようなプレーをしたいですし、そうなることを期待しています。

――東京パラリンピックで、自分のこういうプレーを見てほしい、こういうところを見てほしい、というところはありますか。

中村選手:先ほども少し言いましたが、自分は思い切りの良いプレーが持ち味なので、そんな思い切りの良さを応援してくれている方、見てくれている方に見せられるようにしていきたいと思います。

――最後に、ボッチャファンに向けてメッセージをお願いします。

中村選手:ボッチャは『一丸』をコンセプトにチーム全員がひとつになって取り組んでいます。この『一丸』になって戦うには、選手、スタッフの力だけではなく、応援してくださるファンの皆さんの力も、応援の力も必要になります。ですから、ぜひとも応援をよろしくお願いします。

――ありがとうございました。

constitution 田坂友暁 / photo 松川智一 / interview 新井大基
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