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interview #08 藤井友里子

2000年にボッチャと出会い、その2年後にはもう日本選手権に出場。2005年にはBC1クラスで初優勝を果たすなど、急成長を遂げて火ノ玉ジャパンの一員となった藤井友里子選手。ロンドン、リオデジャネイロに続き、東京で3大会目のパラリンピック出場。自分のベストパフォーマンスを出して、ボッチャという競技の楽しさ、面白さを伝えたいと言う藤井選手。その思いを伺いました。

氏名:       藤井 友里子(ふじい ゆりこ)
クラス:    BC1
生年月日:  1972年12月1日
出身地:    富山県
所属:       株式会社アイザック
主な成績:
・第 14 回パラリンピック競技大会(2012/ロンドン)出場
・第 15 回パラリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)出場団体銀メダル
・Bisfed2017 アジア・オセアニアチャンピオンシップ香港大会 団体銀メダル
・Bisfed2017 ワールドオープン バンコク大会 団体金メダル
・日本選手権 10 回優勝(2003、2005、2008、2010、2011、2013~2016、2018)

――藤井選手がボッチャと出会い、競技をスタートさせたきっかけを教えてください。

藤井選手:私とボッチャの出会いは、障害者のスポーツ交流会というものがあって、そのときに自分ができるスポーツをやってみようと思って参加しました。ゴロバレーとか卓球とか、ボウリング、ダーツとか、いろいろ挑戦しました。でもそれらをやっても、何も達成感がなかったんです。そこでボッチャという競技があって、チーム戦で戦うのもあるということを聞いて、興味がわいたので見に行きました。そしたら、ボールを投げたらできるスポーツだったわけです。車いすに乗っていた自分もボールを投げてみたんですけど、投げたというよりは落としただけ、という感じでしたけど、白のジャックボールに近づけることができたんです。それで「あ、自分にもできるものがあった!」と思ったんです。それでボッチャに挑戦することにしました。

――そうして出会ったボッチャでパラリンピック出場を果たして、リオデジャネイロ大会ではメダルを獲得されましたね。今回、東京パラリンピックに向かうにあたって、前回大会と心境の違いなどはありますか。

藤井:リオデジャネイロパラリンピックのときは、自分の気持ちもあるんですけど、そのときに父が亡くなって、そのなかでメダルを目標にして頑張って練習していました。その結果、銀メダルが獲れてすごくうれしい気持ちになりました。でも一度メダルを獲ると、次は自分でもそうですし、周り人からの期待もそうですし、上のメダルしかないわけですよね。でも、私は今回はメダルの色には拘っていないんです。とにかくメダルを獲る、というよりも、今はボッチャが楽しいということをみんなに分かってもらえるようなプレーを見せたいししたいと思っていて、その結果メダルを獲りたいという思いなんです。なので、東京パラリンピックでは自分のベストパフォーマンスを出したいという思いです。

――藤井選手のストロングポイントについて教えてください。

藤井選手:私は緊張する、ということがあまりありません。試合中でもほかの国の選手を応援することもあります。自分がほかの国の選手を応援していると、自分もほかの国の選手たちから応援されている、というふうに思えるので、良い結果を出すことができるんです。周りの声援とか雰囲気を自分のものにして、それを緊張ではなく、力に変えてプレーができているんだと思います。

――火ノ玉ジャパンに藤井選手のライバルはいますか。

藤井選手:中村拓海選手です。メンタル面は中村選手に私が勝っているところだと緒門ですけど、戦術とかパワーでは少し私が負けていると思います。そこを中村選手のレベルまでとは言わず、BC2の杉村選手や廣瀬選手の2人ぐらいのレベルまでに持っていきたいなと思っています。

――リオデジャネイロパラリンピックでメダル獲得したことで、ボッチャの認知度が上がったと思います。それを経て、今回東京パラリンピックが開催されることで期待していることはありますか。

藤井選手:ボッチャという競技の認知度が上がってきているので、同じ障害を持って特別支援学校に通っている子たちとか、授業のなかで、ボッチャをできるような環境作りだとか、もっとボッチャが広まってくれるとうれしいですね。あとは自分も地元で練習するときに、ボランティアさんをお願いしているんですけども、その地元でボッチャを一緒にやってくれる人が増えてくれるとうれしいな、と思います。そして、ボッチャだけではありませんが、スポーツを生きがいにして生活していく、生きていくということができる世の中であってほしいと思うので、仕事が終わった時間だとか、休みの日だとかにスポーツという楽しみがある、と思ってもらえるようなプレーをしたいですし、ボッチャがそういう競技になっていけばいいなって思いますね。

――ボッチャ以外の話になりますが、今ハマっていることや好きなことはありますか。

藤井選手:ハマっているのは、今は携帯でゲームをすることですね。あと好きなことで言うとカラオケなんですけど、今は行けませんから……。大きな声を張り上げるというか、腹筋使うようなそういう曲が好きですね。落ち着いたら、大きな声出して、思いっきり歌いたいなって思っています。

――では、東京パラリンピックを観戦される方々に、ボッチャのここをぜひ見てほしい、というところはありますか。

藤井選手:ボッチャはプレーしている選手だけでなくて、周りで支えてくれている人、スタッフなど、全員が『一丸』となって同じ気持ちでフィールドに立っています。そういう姿を見ていただいて、ボッチャってすごいな、と感じてもらいたい。健常者であっても障害者であっても、ボッチャっていう競技が面白い、すごいとか、頭脳プレーが必要な奥が深い競技だとか、いろいろな考えやプレーを感じてもらえればうれしいですね。

――今回のテーマでもある『一丸』は藤井選手にとってのどんなイメージですか。

藤井選手:日本ボッチャ協会はもちろんのこと、選手、指導者、私たちの補助をしていただける人たち、クラブを作っている皆さんと、応援してくれている人、その応援してくれている人や選手の家族だとか、選手の友人の皆さん……。私たちを取り巻く全員がまとまって、同じ気持ちで挑む、というのを一丸だと思っています。

――最後にボッチャファンに向けて、一言メッセージをお願いします。

藤井選手:ボッチャを見て、勇気、元気、感動を感じてもらえるようにプレーしていきますので、応援よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

constitution 田坂友暁 / photo 松川智一 / interview 新井大基
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